キリギリスやフタホシコオロギでは、オスが精包をメスにプレゼントして受精を行います。
この精包というのは、精子を包んだ栄養分で、これを受け取ったメスは自分の生殖器に付着させつつ、これを食べます。
精子の包みを食べるとは、、人間から見ればとっても不思議な行動ですが、昆虫ではけっこう見られる行動です。
さらに面白いのは、この精包が大きければ大きいほど、より確実にメスに精子が侵入していくということです。
というのも、食べている時間が長ければ長いほど、それだけ侵入していく精子の量も多いという仕組みですね。
精子が自分のなかに入ってきているのに、「食べてる場合か!」と言いたくなりますが、これも適応進化の結果でしょうか。
フタホシコオロギの実験では、強制的に交配させてできた子供よりも、メスが主体的に選んだオスと交配してできた子供の方が生存率、成長率ともに高いようです。
これだけで話は終わらず、別の昆虫になりますが、ミヤカワトンボでは、オスの生殖器にスプーンが付いていて、それを使って先にメスの中に入っていた精子を掻き出してから自分の精子を送り込むという方法がとられています。
精子を送り込んだからといって安心してはいられない昆虫の世界。厳しい世界ですね。